- わからない

2005/02/19/Sat.わからない

この 2日間はよく寝た T です。こんばんは。

就職活動日記

大学院には進学したが、当初から俺は、修士課程を卒業したら就職するつもりでいた。そういう話をすると、心ある人は「もったいない。進学するべき」と言って下さる。特にこの 1年間は、耳にタコができるくらい聞いた。世辞であることはわかっている。本当に「もったいない」と思われるような力が俺にあれば、これまでの就職活動でどこかに採用されたことだろう。だから実際は、何も「もったいない」ことなんてないのである。

仮にそんな実力があったとして、そもそも、いったい何が「もったいない」のだろう。イチローが「メジャーリーグを辞めて水泳選手を目指します」と言ったなら、確かに「もったいない」と思う。しかし、進学しようと就職しようと、俺が希望しているのはサイエンスに関わる仕事であり、具体的な内容はそれほど変わらない。「セ・リーグを辞めてパ・リーグに行きます」という野球選手に対して、「もったいない」と思うだろうか。そう思う人(セ・リーグのファンとか)もいるのかもしれないが、それは個人的な価値観であって、多数の人々を説得する論理的根拠を示すことは難しいんじゃないか。

進学せずに就職することが、何故もったいないのか。皮肉でも何でもなく、本気で知りたい。というのも、これまで色々な就職試験に失敗してきたわけであるが、この手の試験は、不合格を喰らっても「自分のどこが悪かったのか」がなかなか掴めないのである。改善する気はあるが、手がかりがない。ひょっとしたら、自分は基本的な所で、とんでもない間違いを冒しているのではないかと疑心暗鬼になる。「もったいない」の意味がわからないのは、まさか俺だけではないのか。そんなことも把握できないから、何度も試験に落とされたのではあるまいか。いやマジで、真剣にそんなことを考えてしまう。誰か御教授下さい。

適性は生かさなければならないのか

もう少し「もったいない」の話を続ける。「進学/就職」における「もったいない」の意味がわからない俺だが、ここでは、俺が「進学適性」なるものを持っており、それゆえ就職してしまうとその適性が無駄になる、つまりもったいない、という仮定で理解しておくことにする。

「適性」という単語も、就職活動においてよく聞かれる言葉だ。青臭いことだが、「適性があるならその道に進むべき」と言われたら、個人的には反感を持ってしまう。「じゃあアレか、泥棒の適性があれば泥棒になるのか」なんて。自分の希望と適性が一致しているならば、これほど幸福なことはないだろう。だが、そうじゃない人もいるだろうし、何に対する適性を持っているのかすらわからない場合も多いだろう。結局、自分がやりたいことを目指して頑張るしかないんじゃないか。物凄く単純な精神論だけど。

「進学しないのはもったいない」と言ってくれた人は、多分、サイエンスと自分のキャリアが融合したビジョンがあるのだと思う。それを実現するためには、博士号や、大学を初めとする公的研究機関での経験が必要なのだろう。素晴らしいことだと思う。それゆえに、「進学しないのはもったいない」と俺なんかに言ってくれるわけだ。ありがたいことである。喧嘩を売っているように聞こえたなら謝るけれど、しかし、俺にとってそれが「最高」であるかどうかは別問題だ。

人はそれぞれ、自分の思い描く夢がある。極端な話、「仕事は飯のタネ。給料さえ出れば何でも良い」という人もいるだろう。こういう考え方は何かと非難されがちだが、俺はそれでも構わないと思う。彼が本当にやりたいのは、会社から帰ってきて絵を描くことであり、加えて彼は、絵画に対する優れた適性を持っているのかもしれない。誰が彼を非難できるのか。また、彼に対して「画家になるべき」と誰が言えるのか。「もったいない」と客観的な感想を彼に伝えるのは構わない。彼は喜ぶかもしれないし、自身を見つめ直す良い機会にもなるだろう。

だからまァ……、何を書きたいのかわからなくなってきたが、とにかく、いまだにわからないことが多いということで。こんなんじゃあダメなんだろうけれど。