- Flow cytometry で細胞内に局在する蛍光を検出するときの注意点

2006/09/18/Mon.Flow cytometry で細胞内に局在する蛍光を検出するときの注意点

脈絡のない日記が信条の T です。こんばんは。

本棚の個性

元部長氏の「本棚と記憶の中の13冊」を興味深く拝見する。何かラインナップが格好良さげで、自分のリストも、もう少し考えて選ぶべきだったと後悔する。氏のリストには海外の作家が多く、そこが俺とは大きく異なるところだろうか。

自分の本棚を見回してみると、海外の作家と女性の作家が異様に少ないことに気付く。翻訳物の大半はサイエンス関係で、これは単に、この分野では日本人の手による書物が少ないという理由による。女性作家に至っては、最も多いのがナンシー関の本という始末で、ハナから読む気がないとしか思えない (別にそんなことを考えて本を買っているわけではないが)。やはり本棚は個性を反映するようで、その意味でも、他人様のリストは面白い。

いずれまた、テーマを変えてリストアップするのも面白いかもしれない。

研究日記

終日病院。

久々に細胞の flow cytometry。今日の実験とは無関係だが、以前の実験の話をする。

Flow cytometry では細胞 1個 1個にレーザーを当てて蛍光の有無を調べる。細胞に導入した蛍光タンパク質が細胞質全域で光っているような場合は問題ないのだが、例えば核タンパク-GFP という融合タンパク質が核に局在している場合、レーザーが核に当たらないと positive として認識されない。以前、蛍光顕微鏡下で核がギンギンに光っている細胞を流したところ、全く蛍光がカウントされなかったので往生した記憶がある。

細胞は小さくとも点ではない。当たり前だが。そして flow cytomety のレーザーは細胞径よりも小さい。これも当たり前である。レーザーが細胞径よりも大きければ、複数の細胞を 1 としてカウントする恐れがある。したがって、蛍光が局在している場合には認識されないことがある。理詰めで考えれば当たり前のことばかりなのだが、こういうことって、実際にトラブルを経験しなければわからないんだよなあ。