- 出世欲に取り憑かれた蝿

2008/05/19/Mon.出世欲に取り憑かれた蝿

郵便受けを開けたらチラシが流れ出てきた T です。こんばんは。

どうでも良いが、「広告配布の仕事」ではなく、「他人の家の郵便受けにゴミを投棄する仕事」と言い換えれば何だか妙なスゴ味が出る。

横山光輝『伊達政宗』(山岡荘八・原作) を唐突に思い出した。伊達政宗が、朝鮮出兵で軍監を務める石田三成のことを「出世欲に取り憑かれた蝿」と表現していたシーンが強烈な印象とともに記憶に残っている。政宗の言い方がまたイヤらしいんだコレが。手元に原本がないので記憶を頼りに再現すると、下のようになる。

伊達家の軍議において。政宗は床几に座っている。

政宗「出世欲に取り憑かれた蝿がブンブンと五月蝿いわ」

片倉小十郎「して、三成の考えは奈辺にあるのでしょうか」

政宗「いちいち名前を出さずとも良い。『出世欲に取り憑かれた蝿』で良い」

横山光輝/山岡荘八・原作『伊達政宗』(原本を確認次第修正する)

政宗が三成をここまで毛嫌いしていたのは事実なのだろうか。ちなみに伊達政宗は 1567(永禄10)年、石田三成は 1560(永禄3)年の生まれ。政宗が従軍した文禄の役は 1592(文禄元)年だから、それぞれ 25歳と 32歳になる。若い。

出世欲に取り憑かれるのも無理はない、と今だから理解できるし、三成をそのように評したのは政宗もまた野心家であったからだ、などと解釈もできる。

同じストーリーであるはずの歴史を何度も読むのは、そこに時を置いた再発見があるからだ。なんてことは歴史が好きな人は知っているだろうけれど。

研究日記

テクニシャン嬢が体調不良で欠勤。明後日の大学でのセミナー発表の準備、国際学会の抄録を書くためのデータ整理など。