- Testes of Rats

2009/01/27/Tue.Testes of Rats

遺伝子組換えマウスの勉強をしている T です。こんばんは。

研究日記

雑用まみれで、とても scientific とは言い難い一日だった。ラボの円滑な運営には雑用が必須だが、その負担は不公平になりやすい。

以下は一般論である。仕事ができる人間ほど雑用を回される。結果、優秀な人材から嫌気が差して職場を去っていく。これを防ぐには、有能な人物を雑用から隔離する (本来の仕事に専念させる)しかない。一方、「優秀な人間は能力に応じて雑用もこなすべき」という思想が、主に年配の世代に存在する。それが「平等」なのだと彼らは言う。日本的である。しかし優秀な人間にとっては「悪平等」でしかないので、これから逃れるためには辞めるしかない。日本人を辞めて海外にまで行ったりする。人材流出である。

雑用をさせたいのなら、そのための人間を雇えば良い (そのように雇用された人にとって、それは「雑用」ではない)。これはある種のワーク・シェアリングでもある。雑用を任されていた優秀な彼は少し給料が下がるかもしれない。けれども、ストレスから解放され、生産性は上がるだろう。

今日は大学でラットの精巣を頂戴した。「精巣」などと書いているが、要するに睾丸である。小さな眼球のような外見の、極めてグロテスクな代物だった。これを破砕するのかと思うと気が重い。

ラットには ES 細胞が存在しないので、未分化マーカーの positive control を得ようと思えば、精巣か卵巣の中に存在する germline cell に頼るしかない。たかだか予備実験に難儀なことだが、このような小さな面倒を一つ一つクリアし、ツールを揃え、ちょっと便利で有用な系を立ち上げる——この積み重ねが、最終的には大きな advantage につながっていく。「ちょwwすげーアイデア思い付いたww」というだけでは何も確かめられない。ライブラリがない状態でプログラムを書くことを想像すれば、その不毛さが理解できるだろうか。