- 『モンスターハンター 狩りの掟』ゆうきりん

2010/09/12/Sun.『モンスターハンター 狩りの掟』ゆうきりん

ゲーム『モンスターハンター』(MH)をノベライズした作品。枚数の関係もあるのだろうが、説明や描写の不足が多く、MH をプレイした経験がないと楽しむことは難しい。したがって本作は小説というより、いわゆるファン・アイテムと考えた方が良い。ファン・アイテムとしては充分に面白いので、MH プレイヤーならば読んで損をするということはないだろう。

駆け出しハンターのジーグ少年が、村から街に出てくる場面から本作は始まる。ひょんなことから(便利な日本語である)、訳ありのベテラン・パーティと一緒に狩りをすることになった彼は、様々な人々との出会いを通じて、ハンターの、モンスターの、そして「世界」の諸々を徐々に体得・感得していく——。

読者はジーグの成長を追いかけながら、自らも同時に MH の世界を体験していくことになる。特に、ギルドや王国に関する設定は、ゲーム内ではあまり描かれることがないだけになかなか興味深い。そういう意味で、ハンターの日常パートは貴重な情報に溢れている(このあたりがファン・アイテムっぽい)。

「あとがき」が愉快である。

何しろ、私は無類の『竜』好き。中国や日本の『龍』も、西欧の『竜』も、そして『恐竜』も大好きだったりします。

子供の頃から、恐竜展が開催、と聞けば、すっとんでいってかじりつき、巨大な骨に太古への思いを馳せておりました。

今も時々、東京は上野の国立科学博物館の恐竜の骨の常設展示を見にいったりもします。

(「あとがき」)

矢口真里っぽくて噴いた。

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