- 『エンパラ』大沢在昌

2005/12/25/Sun.『エンパラ』大沢在昌

『エンパラ』とは、小説宝石に掲載されていた大沢在昌のインタビュー連載『エンタテインメント・パラダイス』の略である。副題に「旬な作家 15人の素顔に迫るトーク・バトル」とあるように、当時 (1995〜1996年)、話題の娯楽小説を上梓した作家を招き、大沢がホストとしてインタビューを行うという趣向である。その旬な作家らとは、

の面々。いずれも、前半で作品や仕事に触れ、後段で私生活などが話題になっている。共通する大きな主題の一つは「エンターテイメントとは何か」であって、いずれの対談においてもジャンル分類の無意味なこと、ひたすらに面白い小説こそを書くべきであること、読者もそれを望んでいるし、そのようなものしか見向きもしないこと、などが語られている。狭隘な議論は皆無で、読んでいて楽しいインタビューである。