- 『ジョジョの奇妙な冒険 46 ストーンオーシャン 7』荒木飛呂彦

2008/10/22/Wed.『ジョジョの奇妙な冒険 46 ストーンオーシャン 7』荒木飛呂彦

『ジョジョの奇妙な冒険 45 ストーンオーシャン 6』の続き。

緑色の赤ちゃんのスタンドが良い。

能力——緑色の赤んぼうに触れようと近づく者は 1/2 の距離に近づくと身長が 1/2 縮む。さらに 1/2 近付づくとさらに身長も 1/2 縮んでいく。はたして赤ちゃんに到達できるのか? その果てからやって来たスタンドがこれである。全ての正体は不明。

それから、『JAIL HOUSE LOCK』。

スタンド名——『JAIL HOUSE LOCK』
本体——ミューミュー

破壊力——なし
スピード——C
射程距離——刑務所の壁
持続力——A
精密動作性——なし
成長性——なし

能力——脱獄しようとして面会室より先の鉄格子または壁にさわった者はこの能力に『囚われ』る。

シンプルなんだけど、ひねってある。こういうスタンドは概して強い。実際、徐倫も苦戦を強いられる。

いや……、スタンドには「『強い』『弱い』の概念はない」(DIO) のだった。でもなァ、やっぱり「強い」「弱い」ってのはあると思うんだよな。

スタンドの能力という場合、普通はその「特殊能力」のことを指す。『ザ・ワールド』の「時を止める」、『ストーン・フリー』の「肉体を糸にする」などなど。けれどもそれとはまた別に、「肉体能力」(喧嘩力) とでもいうべき力がある。例えば『キラー・クイーン』は、同じ近距離パワー型の『クレイジー・ダイヤモンド』に殴り合いでは勝てなかった。この差は何だろう。本体の精神力の差なのだろうか。

基本的に、遠距離型は力が弱くてスピードも遅い、近距離パワー型はその逆、となっている。何となく座りの良い説明ではあるのだが、これは本当に妥当な設定なのだろうか。「特殊能力」がある事情で丸裸にされた場合、スタンドの殴り合いで決着が付けられるわけだが、そうなると近距離型 (大抵の主要キャラはこのタイプ) が圧倒的に有利となる。「特殊能力」を丸裸にすることのメリットにおいて、遠距離型と近距離型の間に著しい差が存在するんだよな。

つまり、「遠距離までスタンド能力が届くのは有利」という大前提が微妙に間違ってるわけで。「遠距離」といっても、それはあくまで本体とスタンドの間の距離であって、攻撃のときは結局「スタンド vs スタンド」になっちゃうんだよな。図にすると下のようになる。

[近距離型] 本体—スタンド vs スタンド ————————————本体 [遠距離型]

そりゃ肉体能力の高い近距離型が勝つよ、っていう。