- 生物の化石

2013/01/06/Sun.生物の化石

入籍した T です。こんばんは。

生物の化石とされるものが存在する。

ふと思ったのだが——、その化石が、元々は生物であったと考える根拠は何だろう。生物の定義は様々だが、化石という物体がそれらの条件を満たしていないことは明らかである。ではなぜ、それが「生物の」化石だと判断できるのか。

その化石の形状が、現存する生物の形態と同じ特徴を持つから、というのが唯一の理由であるように思われる。乱暴にいうなら、「生物っぽい形をしているから」である。

古生物学者は、何をもって生物の化石を定義しているのか。機会があれば尋ねてみたい。

それにしても、「生物っぽい形」とは何だろう。これは一度よく考えてみる価値がある。

もう一つ気になるのは、我々が、植物も昆虫も哺乳類も等しく生物だと認識できるのは、教育による効果なのではないかという疑念である。我々は、あるモノが生物であるか否かを生得的に判断できるのだろうか。例えば犬は、いつも自分が小便をかける街路樹や電柱について、これは生物である・でないと明確に認識しているのだろうか。

動物にとって重要なのは、それが敵か味方か食物かであって、生物か否かではない。生花と精巧な造花を見分けることは、犬には難しいかもしれない。けれどもミツバチには容易であろう。もちろん人間は生花と造花を区別できるが、さて、幼児ではどうだろう。区別できたとして、いったい何を基準に判断しているのか。我々は、それを明瞭に言語化ないし定式化できるだろうか。

合成したタンパク質やカルシウム、チキン質で作った模型を土中に埋めた場合、未来の古生物学者は、その化石をどのように評価するのだろうか。