- 地の涯の皇帝

2012/11/15/Thu.地の涯の皇帝

アレキサンダー大王やジンギス・カンは、なぜ彼らの帝国をあそこまで拡大せねばならなかったのだろうか。彼らの行動には大義や目的がないように——少なくとも私には——見える。だから私は、彼らのことが恐い。

加えて想像が難しいのは、彼らの巨大な帝国の統治機構の実際、それから本国や旧領の実情である。例えば帝国の子供は、見たこともない皇帝をどのように理解したのだろうか。「この国には皇帝という人がおって、その人がホンマは一番エラいんやけど、なんやずっと前から戦争に行ってて今もごっつい遠いところで戦ってはる」とでも教えられたのか。「アンタも大きなったら、兵隊さんになって皇帝のとこに行きや」。

このような状況に、空海伝説(遍在性)やサン・ジェルマン伝説(不死性)の要素を混合すると、「何百年も地の涯で戦い続けている皇帝と兵たち」というイメージが湧いてくる。なかなか魅惑的な像だと思う。

追記