- わかっていないこと

2012/10/21/Sun.わかっていないこと

これまで深く考えたことはなかったが、横隔膜 diaphragm の筋肉、あれは何だろうか。MyoD を発現する横紋筋だが、いわゆる骨格筋とは異なる性質を示す。筋ジストロフィーモデルの Mdx マウスでは、骨格筋に比べて横隔膜は強い障害を受ける。筋再生の速度などが違うということだが、具体的に何が違うのか、よくわからない。

Research proposal を考える上で最も大きな問題は、いったい何がわかっていないのか、である。わかっていないことをわかるには相当の作業を要する。わかっていることは何か、なぜわかっていないのか(誰も問題だと思っていないのか、原理的にわかり得ないのか、技術的・金銭的に困難なだけなのか、重要ではないから誰も解明していないだけなのか)、どうすればわかるようになるのか、などなど。

我々は知らねばならない。我々は知るだろう。

(ダフィット・ヒルベルト)

ヒルベルトの楽観は最終的にゲーデルによって否定されたが——、それでも我々は、我々が知り得る限りにおいて知らねばならないであろう。この言葉の精神は、現在も輝きを失っていないと私は思う。