- ドラム日記:左腕

2012/08/22/Wed.ドラム日記:左腕

先週は左手を鍛えることに集中した。今週も続けている。問題は山積みだ。

破壊力、スピード、射程距離、持続力、精密動作性……。ジョジョのスタンド能力ではないが、いずれも目を覆うばかりの惨状である。せめて成長性だけはと願いたいところだが、それも練習次第であろう。

最初の課題は、左手でも右手と同じようにスティックを握ることである。まさかとは思うが、これが非常に難しい。スティックを「握る」と書いたが、実際は親指と中指で軽く挟むだけである。しかし左手だとこれができない。握力がなく、指も細やかに動かないので、どうしても掌で支えようとしてしまう。手先は丸まり、スティックの可動範囲は狭まり、ますます手首は固くなる。

どうしようもないので、先週は毎日ひたすら左手でスネアを叩いていた。とにかく叩くしかない。

その甲斐あって、ようやく左手でも力を抜いてスティックを保持できるようになったが——、次は手首がグラグラであることに絶望する番である。筋力がないのに力を抜いているので、スティックの軌道がブレまくる。ただでさえ弱いパワーがさらに分散され、音が出ない。シンバルを叩いても全く響かない。

それ以前に……、スネアからシンバルに左腕が伸びない。意識が手先だけに集中しており、肘が固まっているのである。「シンバルを叩きにいかねば」と思っても腕が伸びず、上体がつんのめるということが何度もあった。仕方がないので、スネア-シンバル-スネア-シンバル……という腕運びを別途練習する羽目になる。

だいぶ左手も動くようになってきたかな——、と思うのはまだ早い。まるで冗談のようだが、右左右左……という簡単なリズムが、左右左右……と逆になるだけでグズグズになってしまうのである。これには笑ってしまった。それぞれの動作に対して、繰り返し練習をし、一々回路を作っていかなければいけないのだと、ようやく悟った次第である。

小さな課題を見付けては、それをこなしていくのが今は楽しい。