- sengoku38 の義憤

2010/11/05/Fri.sengoku38 の義憤

先日の日記で、義憤に関して、二・二六事件と尖閣諸島中国漁船衝突事件について少し触れた。

本日未明、sengoku38 と名乗る人物によって、事件の一部始終を撮影したビデオが YouTube にアップロードされていることがわかった。このビデオは政府が公開を拒否していたものである。したがって本件は、国家機密の漏洩と捉えることができる。

日本は法治国家である(ことを標榜している)から、国は sengoku38 を逮捕し、法廷を開き、罪を問わねばならない。が、中国人船長——今回の映像流出によって、彼が有罪であることは明白となった——を早々に釈放しておきがら、sengoku38 に重罪を課すというのでは筋が通っておらぬ。

我々は尖閣諸島事件の真相に触れ得たことを喜ぶべきだが、同時に、政府の情報管理体制が崩壊していることを厳しく追求しなければならない。ここでも、やはり筋が通らぬ。

sengoku38 が現れたとき、どのような反応が起こるだろうか。愛国無罪という言葉がある。法的には犯罪者である彼を「英雄」として賛えることは容易であるし、心情的にも素直である。大勢が運動すれば、彼の量刑を軽減することも可能であろう。

五・一五事件は、まさに上記のごとく推移した。総理大臣犬養毅が暗殺されるという未曾有のクーデター事件でありながら、犯人である青年将校らへの判決は信じられないほどに甘かった。世論が沸き起こり、軍民からの助命嘆願が絶えなかったからである。このような決着が、後に二・二六事件を引き起こした。

我々は sengoku38 の義憤にどう対応すべきなのだろうか。大変に難しい問題であると思う。