- 再び夢の中へ

2010/04/23/Fri.再び夢の中へ

先日見た夢が、まるで正夢や余地夢であったかのような実話を聞いて椅子からひっくり返りそうになった。あれは夢ではなかったのか。それとも今まさに夢を見ているのか。あるいはこの話を既に耳にしていながらすっかり忘れてしまい、忘却したがゆえに夢となってストレートに出てきたのか。もしそうだとしたら健忘症である。

私はボケている。

これは「私は嘘つきだ」というパラドックスと同じである。

「私はボケている」というセンテンスは肯定も否定もできない。つまり、私は私がボケているかどうかを判断できない。私にできるのは、せいぜい「今、私はボケていない」という瞬間的な否定だけであり、ボケている瞬間にボケを認識する、あるいはボケていた瞬間があったと証明するなどの肯定的な言明は一切不可能である。ボケに対する恐怖の根源はここにあるのではないか。

これでは夢と現実の区別が付かなくても仕方がない。