- 紀昌「弓って何ぞwww」

2010/03/09/Tue.紀昌「弓って何ぞwww」

弓を射たことがない T です。こんばんは。

読書日記

先日購入した本の中には、文庫版「怪盗ルパン全集」第二期配本がある;『八つの犯罪』『黄金三角』『怪奇な家』『緑の目の少女』の四冊である。

実感

先日の日記で「実感」という単語を括弧付きで多用した。「実感」は常にその存在が肯定的である。例えば「実感がない」ということは、すなわち「実感がないという『実感』がある」ということである。そしてもちろん、このようなことを書く私には「実感がないという『実感』がある、という "実感"」がある。以下同様。

もっとよく言葉を定義すれば良いのかもしれないが、土台無理な話である。定義というのは言葉を言葉で説明する行為である。では最初の言葉をどう説明すれば良いのか。結局、幾つかの言葉は無説明で使用するしか仕方がない。初めに言葉ありき、言葉は神と共にありき、言葉は神であった。神かよ。要するに不可知なのである。

「初めの言葉」なんてものはなく、言語体系の中の相対的な位置によってそれぞれの言葉が定まると考えることもできる。そういう文脈的な捉え方もある。

——こういうことを考えていると何も書けなくなってしまうのだが、一種それを目的としているところもある。書けないことは書かなくて良いのではないか。下地の白を生かして光を描くがごとく、書かぬことで表現したり、徹底して書かぬことで「書けない」ことを示したり、そういうことが可能なのではないか。

まるで中島敦『名人伝』のような話であるが。