- 『なみ子』貴志康一

2008/11/22/Sat.『なみ子』貴志康一

ドイツ語は「ハイル・ヒトラー」くらいしか知らない T です。こんばんは。

研究日記

午前中に細胞培養を少し。今週からめっきり冷えてきて、人のいない朝のラボは寒々しい印象である。夏であれば爽やかな感じもするのだが。

観劇日記

午後から大阪中之島の中央公会堂に行ってオペラを観てきた。貴志康一 (1909〜1937。パンフレットによれば「ベルリン・フィルを 25歳で指揮した日本人」「夭折の天才」) という人の『なみ子』という作品で、世界初上演であるという。上演の前には『春』『鏡』という、貴志が監督・作曲した短い映画も公開された。これらの映画は、欧州人に日本の美しい精神と情景を知らしむるために撮影されたようだが、幻想的でありながら淡々としていて、ある種の記録映画のようでもあり、とにかく不思議な作品である。非常に面白い。

オペラ『なみ子』の方は、歌詞こそドイツ語であったものの、親しみやすいメロディで楽しめた。物語の部分は日本語で演じられており、戦中の満州で繰り広げられるストーリーを追うのにも困らない。話の筋は単純で他愛ないものだったが、90分ほどの歌劇であれば、あんなものかもしれない (物語の担当は貴志ではなくドイツ人)。