- 紅葉狩り: 東福寺、知恩院

2008/11/15/Sat.紅葉狩り: 東福寺、知恩院

寺を巡ってきた T です。こんばんは。

東福寺に紅葉を見に行く。陽の当たる場所にある葉はだいぶ色付いていたが、陰になっているところはまだ緑のままであった。色の変化が如実に見られて面白い。

東福寺は全体的に観光地化が進んでおり、せっかくの庭が現代アート発表会に堕しているなど、あまり感心できるものではなかった。しかし龍吟庵の方丈 (国宝) の襖絵と、入口に掲げられている足利義満筆の扁額は大変よろしい。さすが足利義満、立派な文字である——などと唸ったりするわけだが、果たして、何も知らずに文字だけを見せられても同様の感想が湧くかどうか。やはり書はよくわからない。

だが——、落款や署名 (「誰」が書いたのか) まで含めての「書」なのかもしれぬ、とも思う。例えば雄大な文字があったとする。これが磊落な人物の書であった場合、感想は「なるほどさすがに大きな字だ」となる。だが同じ文字でも、それが線の細い人間の書いたものとなると、「意外に大きな字を書くのだな」と印象が変わる。要するに、鑑賞者は文字だけではなく「書いた人物」を含めて見ているんだよな。だから、「これが足利義満の字? へー立派だね」という感想でも別に構わないのではないか。素直で良いじゃないか。

東福寺の近くにあった雪舟ゆかりの寺とやらにもお邪魔する。東福寺は人でごった返していたが、こちらは閑散としており落ち着くことができる。円窓のある四畳半の和室 (茶室?) が素晴らしい。これくらい狭い部屋なら現代日本の家屋内にも作ることができるよな、と考えるが、しかしこの素晴らしさは庭あってのものであることに気付く。

暗くなってから、ライトアップされている知恩院を訪ねる。知恩院へ足を運ぶのは二度目である。三門と御影堂 (いずれも国宝) の馬鹿デカさに改めて驚く。御影堂の中でピアノを聴く。曲目に関する知識が俺にはないが、リストなどの欧州古典であるらしい。こういう組み合わせのイベントのセンスは、なかなかのものだと思う。

友禅染の始祖ゆかりだという立派な庭も散策する。ここにも立派な茶席がある。昼間にまた来てみよう。