- 申請するならサルでもできる

2008/10/28/Tue.申請するならサルでもできる

LHC には是非ともブラックホールを作ってもらいたいと思う T です。こんばんは。

研究日記

研究日記というが、ここしばらくは研究らしい仕事をしていない。

この 3週間ほどで 3つの研究費申請書類を書いた。申請費総額 1億 3000万円。アホか。

研究費の申請は、対象によって上限が決まっている (例えば文部科研の基盤 B であれば 2000万円)。ボスはいつも限度額いっぱいに申請するのだが、これが普通なのだろうか。よくわからん。もちろん、申請が通っても満額が認められるわけではない。交付額は大体、申請額の 7〜8割となる。さらに、交付額から 3割ほどが間接経費としてサッ引かれる。したがって、実際に研究に使えるのは申請額の 5〜6割ということになる (この数字も研究費の種類・研究施設によって変化するのかもしれないが)。海外でもこんな感じなのだろうか。

文系の人にとって、理系の研究費は非常に高額であるらしい。分子・細胞レベルの生物学で使われる高額機器といえばキャピラリー・シーケンサーやセル・ソーターだが、これらの値段はせいぜい数千万円のオーダーである。昨今話題の CERN の LHC は、その建設費、実に 5000億円にも上るという。あまりにも膨大な金額なので、日本も 170億円ほど出して共同研究に当たっているらしい。スペースシャトルは 1回の打ち上げに 500億円、スーパーカミオカンデの建設費は 104億円 (+ 全面復旧費 25億円) という。これらに比べれば、ゲノム・プロジェクトなんて安い安い。

医薬関係の特許などを考えると、生物学は社会経済から資金を回収しやすい分野でもあるから、なおさらそのコスト・パフォーマンスが際立つ。ヒッグス粒子を発見したところで、LHC の建設費なんて (少なくとも俺たちが生きている間には) とても回収できんだろ。——もちろん、だからこそ素晴らしいのは言うまでもない。