- 君は等速運動を見たことがあるか?

2008/10/25/Sat.君は等速運動を見たことがあるか?

ジョジョは読むたびに発見があるなァと感心する T です。こんばんは。

荒木飛呂彦『ジョジョの奇妙な冒険』第4部「ダイヤモンドは砕けない」に登場する『ハイウェイ・スター』は、60 km/h で標的を追いかけてくるスタンドである。東方仗助は、このスタンドからバイクで逃げるわけだが、60 km/h 以下に減速すると『ハイウェイ・スター』に追い付かれてしまうので、なかなか道を曲ることができない。

「コーナーで減速すると追い付かれる」ということはつまり、『ハイウェイ・スター』はコーナーでも減速せずに 60 km/h を保ったままである、ということを意味する。この『ハイウェイ・スター』の「あるべき」動きを漫画で表現すること、そして読者である俺たちが想像することは、実はとても難しいのではないか。なぜなら、「等速でコーナリングするという動き」を、俺たちが日常生活で見たり感じたりすることはないからだ。「見たことがない動き」を脳内で再現するのは非常に困難だし、また漫画は、「見たことがない動き」を表現するには不適なメディアでもある。

(漫画で「動き」を表現しようとすると、どうしても「動線」「残像」「コマ割」といった記号に頼らざるを得なくなる。で、記号の解釈には、無意識に俺たちの現実世界の感覚が投影されてしまう。というか、「読者の無意識な感覚の投影による解釈」を期待しているのが漫画の記号表現なんだよな。直感的に理解できるから記号化が可能ともいえる。逆にいうと、記号化された表現は直感的にしか理解できない)

「『ハイウェイ・スター』がいかなる経路も等速で移動する様子」を動画で正確に再現してみたら、極めて異様な動きとして俺たちの目に映るのではないか。——そういう想像 (妄想) がないと、漫画を読んでも何だかもったいないよな、っていう話。

自炊日記

昨日は早退したので体調はまずまず。夕方以降、また少し悪化する。

シチューを作る。牛肉と鶏肉では灰汁の形状が違うように思う。あと、200 ml の牛乳パックをハサミで開封するときに必ず刃が汚れるのが気に入らない。汚さずに切る方法はないものだろうか。