- 人生とは孤独であることだ (2)

2008/02/01/Fri.人生とは孤独であることだ (2)

"Devil May Cry 4" で寝不足の T です。こんばんは。

ボスに「大学院を出てからどうすんの?」と訊かれた話。前回の続き。

過程があと 3年も残っている状態で、しかも唐突に、わざわざ呼び出した上でこの話題。良い予感がするわけがない。「研究を続けるんやったら、例えばこういうところでポスドクするとかな」とボスはプリントを俺に手渡した。1〜2年後にスタートすることがほぼ決まっている大型のプロジェクトについての書類だった。ここへ行けっていう意味か? などと思いながらボスの話を聞く。

けどな。なんぼポスドクやいうてもな、雇われている内はアカンのや。自分でお金を取って来んと。自分のやりたいことできへん。そら一気に仰山ちうのは無理やけどな。センセイ (= 私のこと) やったら、とりあえず学振 (ここでは日本学術振興会特別研究員の DC あるいは PD を指している) やわな。あれが獲れたらまァまァやな。せやけど、あれも結構難しいんや。JBC くらいの paper が 2本は要るわな。あるいは、JBC 1本、BBRC 2本とかな。今書いてる論文が通れば、とりあえず中堅が 1本になるわな。せやから、あと 2年で BBRC を 2つ書かなアカン。申請は 4年生の 5月やからな、あと 2年しかないわけや。申請するときは受け入れ先の推薦書——受け入れ先やぞ、ワシのと違うぞ——も要るからな。留学するんやったら、もうちょっと通りやすくなるけどな。JBC 1本と BBRC 1本とかやな。今度の学会で発表するデータ、あれもそろそろまとめんとな。追加実験はアレとコレでいけるやろ。それから大学でやってるヤツな。あれもまとめてな。センセイは他の仕事もあって大変やろけど、それで coauthor の論文も増えるしな。若い内から論文を溜めるのは難しいんや。今オマエ幾つや。今年で 28 か。若いな。研究をずーっと続けるんやったら、キッチリした論文を書かんとな。ええ加減なもんは残らんからな。サインエンスというものを、こう、きっちりと……、まぁセンセイは理学部やったな。おう。まァそんなとこやな。ほんなら今日の研究会よろしく。

正直なところ——、この人は何で俺の行く末をここまで案じているのだろう、と戸惑った。見所があるとでも思っているのだろうか。それとも全く別の理由からか。わからん。少なくとも、研究員君や研究員嬢とこのような話をした形跡はない。何故「俺」だけ。この疑問が私の孤独と結び付いて、奇妙に感情が波立つ。

考え過ぎか? ヘンな話でも何でもないだろ、と思われるかもしれない。けれども、私にとっては重要なことである気がする。とりあえず、日記に書いて吐き出すことにした次第。

研究日記

論文を resubmit した。人事を尽くして editor の返事を待つ。