- ファスト・ライフ

2008/01/24/Thu.ファスト・ライフ

どうして Amazon の書籍の写真は、帯の有無や画像のサイズがバラバラなんだろう、といつも思っている T です。こんばんは。

シリーズもので、その中の 1冊だけ画像がなかったりもする。現物を手作業でスキャンしているんだろうか。出版社はカバーのデータを Amazon に送っていないんだろうか。何故?

この種の事情を考えるたびに、ネットだのデジタルだのはまだまだ道半ばであるなあ、と思う。毎朝、何千万部もの新聞が、紙に印字されるという形で流通している。気が遠くなりそうだ。これらはもう、技術的な問題というよりは、人間の意識や習慣レベルの問題だろう。俺達の世代が管理職、取締役になるまでは、意外にダラダラと現在の光景が続くのかもしれない。そういう意味で、ホリエモンは早過ぎたともいえる。

最近、ニコニコ動画の登録者が 500万人を突破したらしい。この数字をどう評価するか。まだ 500万人か。そう私は思う。ちなみに、ニコニコ動画が消費するトラフィック量は、日本全体のそれの 1/10 を占めるらしい。たった 500万人が、アナログ放送にも劣る動画を見ただけで、日本の通信の 1/10 を消費してしまう。コンピュータの処理能力も、ネットの帯域も、何て貧弱なんだろう。足りない。まだまだ全然足りない。

先日の日記で、PS3 + PSP のことを「まさに夢のような進歩である」と讃えた。そうなんだよ。技術は凄い勢いで進化しているんだよ。原理的には、今すぐ SF 映画のような生活ができるんだよ。でも、インフラストラクチャもハードウェアのパワーも全く不足している。望み通りの力を得るためには莫大な金銭が要る。望み通りの結果を得るためには膨大な時間がかかる。イライラする。

そんなに急いでどうするの、と問われそうだ。違うんだ。時間をかけることそれ自体が楽しみであるような事柄は、確実に存在する。そのための時間を確保するには、他の事柄がもっと効率的にならなければならないんだ。しかもそれは、原理的技術的に可能なんだ。諸々の事情が足を引っ張っているから我慢できないんだ。無駄な道路を作るくらいなら、有用な回線を引っ張るべきなんだ。

あと、スロー・ライフがあって、どうしてファスト・ライフがないんだ。俺は死ぬまでにできるだけ沢山の物事に触れたいと思うよ。スロー・ライフで見えてくるものは確かにあると思うが、それはファスト・ライフでも同じだろう。僕は長距離走者だったから、ランナーズ・ハイの感覚を知っている。あれは、走り続けなければ得られないものだ。速く走れる人間はゆっくりと歩むこともできるが、脚力を鍛えていない者がハイ・スピードで走ることは絶対にできないんだぜ。