- 狭い世界

2007/03/20/Tue.狭い世界

学会が終わって少しまったりモードの T です。こんばんは。

今朝も寒いと思っていたら、雪が降り始める始末。3月 20日だぞ!

研究日記

銀行から大学院の入学金を振り込み、書類を調えて事務に郵送。次は学費の支払いか。やれやれ。

とはいえ、学費が高いとは全く思わない。まとまったお金が必要ではあるけれど、得られる物事の対価としては驚異的に安いと思う。例えば国立大学の場合、現在の学費は年額 50余万円である。仮に貴方が東京大学の学生であれば、たったこれだけの金額で、世界有数の研究施設が使い放題となる。設備の乏しい施設で頑張っている研究者に、次のような提案をしてみることを考えれば良い。「東大の機器を年間 50万円でリースします」。喜んで研究費を払う学者は山ほどいるだろう。学生は恵まれている。

書籍とかも本当に安いと思う。例えば 500円玉 1つで、アインシュタインの相対性理論が日本語で読める。価格破壊っていうレベルじゃねえぞ。相対性理論に特許があったら……という想像は、恐ろしくてとてもできない。これまでの学者が、その成果をささやかな名誉とだけ交換してきたからこそ、私のような庶民でも、学問の道を歩んでみようかと考えることができる。

そんなことを思えるようになったのも、就職してからのことなんだけれどね。大学院に行きたい、でも学費が高いし……。そう思っている人は、積極的な選択肢として、一度働いてみるというのもアリではないか。それでも大学院に行きたければ改めて進学すれば良いし、やっぱり向いてないや、ということがわかるかもしれない。それはそれで新たな道である。日本でも、大学以降の進路はこれから多様化していくだろう。重要なのは、たくさんの進路があるということをまず知ること。

年度末の報告書を 3つほど書いてボスに発送。これで書類関係の仕事はひとまず終わり。

明日は休み。休み明けから本格的に実験を再開する。テクニシャン嬢 2人に、これからの実験計画とその背景を簡単に説明する。どこまで理解してくれたかはわからないが、ただ漫然と細胞培養や Western を繰り返すだけでは、やっぱりモチベーションが続かないと思うわけだ。自分の出した結果が good job であるかどうか。それくらいは判別できるようになってほしい。実験のクオリティにも直結する、大事なところだと思う。

学会も終わったので、研究員嬢、テクニシャン嬢 2人、隣のテクニシャン嬢と一緒に食事に行く。学会で Dr. T にお会いした話をする。研究員嬢が、Dr. T の就職先にエントリーしていたことを知る。なんて狭い世界なんだ。