- 研究職の面接

2007/03/11/Sun.研究職の面接

2年前の自分を思い出した T です。こんばんは。

研究日記

先月いっぱいで退職した大学のテクニシャン嬢とは別に、もう 1人、大学のテクニシャン嬢が退職するらしい。戦力を補うために研究員を 1人雇うことになって、今日が面接。私も臨席する。男性が 1人、女性が 1人。ともに農学部の修士を今春で修了されるという。

真面目そうで好感が持てる人達だったが、私の感想は正直いって「微妙」。ボスも「う〜ん、イマイチ」と溜め息を漏らしていた。2人からは、サイエンスに対する好奇心だとか、情熱だとか、そういったものが感じられなかった。女の子の方は、「スキルを付けて、どこでも通用する技術員を目指したい」とか言うし。個人の志望だから別に構わないのだけど、それはボスが求めている人材ではない。我々は、率先して research をしてくれる研究員が欲しいのだ。

我がラボにはテクニシャンの方々が、もう既にたくさんいらっしゃる。イヤな話だが、修士卒の技術員を雇うなら、専門学校卒のテクニシャンを雇った方が安い。今春から博士課程に行く私も肝に銘じておかねばならないが、学歴とスキルと志望のバランスが取れていないと、下手に修士なんかに進学した人は、価格競争で負けてしまうんだよね。私もそうだが、修士を出たからといって、すぐに何かができるわけではない。新卒研究員に対する評価には、彼らが持つ潜在能力、向上心、それらがもたらす期待値が多分に含まれている。したがって、何はなくとも「研究をやるんだ」というアピールをしなければ通らないよ。研究職なんだから。

例えば定番の質問に、「博士号を取得される考えはありますか?」というのがある。今日の 2人の回答は「No」。それも個人の志望だから、否なら否で構わない。でもこれは面接なのである。ウソでも「将来的には考えてます」くらい言えないのか。どう見ても、「研究で身を立てていくんだ」という覚悟が感じられない。そんな覚悟がエラいわけでも何でもないが、でもそうじゃないと、この仕事はできないぜ。