- 自分の考えていることが言葉にできない苦痛

2007/02/17/Sat.自分の考えていることが言葉にできない苦痛

ここ数年で最もマズい発表をしてしまった T です。こんばんは。

研究日記

ボス主催の講演会で発表。研究費を貰っているプロジェクトの成果普及事業だとかいう講演会で、聴衆は一般の人が多い。わかりやすく語ろうと心がけたのだが、逆に話がつかえてわかり辛くなってしまった。専門的なタームが封じられてしまったとき、我々は実に無力になる。おまけに私の研究は基礎的なものだから、華がない。「手術や投薬をしたら症状が改善したよー」と発表できる臨床の先生方が、このときばかりは羨ましくなる。私にとっては学会の方が気楽なのだ。

発表後、演者や座長の先生方との懇親会に出席。医者にあらずは私だけで、どうも尻が落ち着かない。

招待講演で来られた先生 (その世界では一流の先生) の、「『あるある大辞典』から電話取材を受けたことがある」という談話が面白かった。取材者は、初めに結論ありきの口ぶりで、「〜なんですよね」と、専門的見地からはあり得ないようなことを聞いてきたらしい。先生は「あり得ません」と否定したらしいが、なおも「可能性くらいは考えられますよね」と食い下がってきたという。強い口調で何度も否定したら、ようやく引き下がったそうだ。捏造番組の取材なんてそんなものなんだなあ、という話。

私はテレビを見ないから、程度の低い番組が捏造だったからといって、烈火のごとく怒り狂う視聴者があれだけ存在することを意外に思った。要するに、「私はあの番組を信じていました = つまりアホです」というわけで、本当にどっちもどっちである。プロレスの方が、番組も視聴者もよほど高等だ。

なんか疲れた。明日は元気に実験。