- Mutation

2007/01/26/Fri.Mutation

将棋より囲碁が好きな T です。こんばんは。

将棋は「指す」、囲碁は「打つ」。日本語のこういった心配りって何なのだろう。

Web 日記

「Reference Maker from PubMed ID」を高速化した。ようやく実用的になったろうか。作成には以下のページを参考にした。

PubMed に関しては様々な優良ソフトが既にある。わざわざショボいものを自分で作る必要は全くないのだが、プログラミングの課題としては非常に面白い。いずれ本当に役に立つものが作れたら良いのだが……。

研究日記

今週はテクニシャン嬢と、核タンパク回収 → 免疫沈降 → Western の繰り返し。なかなか難しい。

タンパク質 A と B が結合するとする。A を変異させてできたタンパク質 a が、B と結合するかどうかを調べたい。そこで抗A抗体で免疫沈降をし、Western で A (a) と B の量を計測する。B/A と B/a の値を得る。B/A > B/a であれば、変異によって a の B への結合が弱まったということがわかる。

本当だろうか。変異を導入したことによって、抗A抗体に対する反応性が A と a で異なることが考えられる。その場合、免疫沈降の効率も違ってくるし、Western での定量化も怪しくなる。しかしこれは、A (a) とタグ X の融合タンパク質 X-A (X-a) を作成し、抗X抗体を用いることによって (理屈上は) 解決できる。

話は変わる。抗A抗体が A と a の両方に反応する場合、免疫という系において a は変異体とはいえない、という議論が成立する。DNA の配列が変化しても、アミノ酸の配列は変わらない、という変異もある。これは DNA レベルでは変異が起こっているが、タンパク質レベルでは変異が起こっていないともいえる。遺伝子がプロモーターごと転座してしまった場合はどうだろう。遺伝子の発現パターンも産物も全く変化しなかったとして、これは変異だろうか。

要するに色んなフェーズでの「変異」があるわけだが、よく定義されていない部分もあるということ。