- Wirefull

2006/12/02/Sat.Wirefull

今日の日記は自分でもややウザいなあ、と思う T です。こんばんは。

上手く書けないのは、自分でも整理できていないからか。

Web 日記

BUFFALO の安い有線ルータを買ってきて、VAIO もネットに同時接続できるようにした。世間の流れはワイヤレスだが、我が家はとってもワイヤフル。ワイヤレスな接続環境を構築することも可能だが、私が接続に求めているのは確実性である。職場のネット環境は無線 LAN によるものなのだが、この接続がときどき切れてイライラする。「常に」接続されているからこその接続であって、時折にしろ切れるのは「断続」である。また肝心なときに切れるんだコレが (学会演題の登録中など)。そんなわけで有線にした。

どうでも良いが、「無線断続」という言葉には迫力があるなあ。なんて思った。

MacBook and VAIO

ともかく、今は家でも論文を書いたりしているので、すこぶる便利になった。マシンが 2台というよりも、実質的な作業画面が広がったのがうれしい。だったらモニタでも買ってろ、という話だが。

あと、ルータをかましたら固定電話がつながらなくなってしまったのだが、これは一般的な症状なんだろうか。使用頻度は激低なので特に困るわけではないが、トラブルシューティングを御存知の方がおられましたら御教示下さい。

研究日記

病院 → 大学。

病院、大学ともに細胞培養。Dish の枚数が多くて時間がかかった。こんなとき、いつもテクニシャン嬢達に感謝するのは、私が週末の間に使う培養液の量を計算し、決して切れないように作り置きしてくれていることだ。頼んだわけでもないのに作り置きしてくれている、というあたりが泣かせるではないか。

「いつも使う試薬や備品のストックは切らさない。在庫がなくなったら購入するからすぐに報告する」と徹底させているけれど、そのストックの量が、金曜の夜には普段よりも増えていることを私は知っている。私にとって、土日は実験に集中できる貴重な日だが、いつも快適に作業をさせてもらっている。ありがたいことだ。

このような心遣いに女の子らしさを感じるのは私だけではあるまい。こんな話を書くのもどうかと思うが、多くの先生が「テクニシャンは女の子に限る」と言う (もちろん私的な会話においてだが)。その気持ちもわかる。特に私のような、学位も持たず医者でもない若造がテクニシャンの方々と実験する場合、彼女達が年下の女性であったという事実には、随分と救われた気がする。

実際問題、別グループのテクニシャン君諸氏からは無根拠にナメられていたりもする。私は座ってばかりでエラそうに指図しているだけ、と思われているらしい。そんな彼らが何をしているのかというと、ネガコンもない雑なプロトコルで予備実験を繰り返すばかり。我らがテクニシャン嬢の生産性の 1/3 もあるかどうか。望むと望まざると、私の仕事はグループ全体の生産効率を上げることにあり、それを自分の実験よりも優先させている。これらをテクニシャン嬢達は理解してくれ、テクニシャン君諸氏は誤解している。私が週末に来ているのも知っているかどうか。そんなに座業が羨ましいなら、いつでも代わってやるんだが。

愚痴になってしまった。注意書きをしておかねばならない。私が知っているのは、現在のラボ周辺のテクニシャン諸氏だけであり、今日の日記は、あくまでその範囲でのスケッチである。私は、テクニシャンの実力差が、男女の性差に基づくと主張しているわけでは決してない。むしろグループの性格によるところが大きいとも思う。

例えばテクニシャン君諸氏が私をナメるのは、男が持つ上昇志向の歪んだ発露ともいえ、そのモチベーションを正しく導いてやれば巨大な戦力になる可能性を秘めている。女性のように、勤務時間通りに帰宅してもらうことに気を遣う必要もなかろう。事実、大学の超優秀なテクニシャン氏は、いつも遅くまで実験をやっていて、私は何度も教えを請うている。お互いに有益な情報交換もする。どっちがエラいだとかエラくないだとか、そんなつまらないことをヒマな人間が考えている間に、本気で仕事をしている人間との差は、こうしてドンドンと開いていく。これは自戒を込めていうのだが、本当に恐ろしいことである。

もちろん仕事が唯一の価値ではないけれども。しかし、基本的な姿勢はどの分野においても同じなんじゃないかな。

何だかグチャグチャと書いてしまったが、たまにはこういう青っぽいのも良いだろう。日々の仕事で己が無力さを痛感する一方、テクニシャン嬢達には「まだまだ若造なんで」というエクスキューズが通用せず、無理にでも年長者を演じねばならぬときもある。行き場のない甘えの欲求をこの日記に託しているわけだが、つまりそれは、自分で自分に甘えているわけで、単なるナルシシズムではなかろうか。ということに、たった今気付いた。客観的に見れば、結構キモい構図なのかもしれない。2007年はもっとドライに行こう。