- 実験ダイエット

2006/08/05/Sat.実験ダイエット

汗だくでの細胞培養はヤバいと思う T です。こんばんは。

研究日記

終日病院。細胞の培養、組織の免疫染色など。

休日は建物のエアコンが切られているので、物凄く暑い (冬は大変に寒い。このおかげで何度体調を悪くしたことか)。もちろん培養室や低温室などは別電源の空調が入っているのだけれど、普段よく使う実験室がとんでもない暑さになっている。大丈夫なのか、試薬。心配なので、冷やさずとも良いものまで冷蔵庫に放りこんでいる。そういう意味では、冬の寒さの方がまだマシかもしれない。

SDS の溶液ってのは大抵 10% の濃度でストックされていると思うのだが、これは少し気温が下がっただけですぐに析出する。ところが別のラボでは 20% という高濃度でストックしてあって、昨冬はとんでもないことになっていた。もはや析出というレベルではなく、瓶の中身全体がガチガチに固まっている。

ストックというものは高濃度で作れば作るほど、作り替える手間が減るわけだが、賞味期限と使用頻度の兼ね合いもあって、研究室ごとに微妙にレシピが異なる。今のラボでは Western 関係のバッファーは 10 x であるが、学生の頃は確か 5 x だった。ちなみに「5 x PBS」と書いて「5 かけ PBS」と読む (これもラボによって違うかもしれない)。日常生活で「5 かけ〜」などと言い出したら立派な職業病である。

例えば 5 x PBS を 1 x PBS にするには、5 x PBS: 水を 1: 4 の割合で混ぜるのだが、こんなことは常識以前の話である。ところがたまに、料理や通信販売の番組において、5倍濃縮の原液 1 に対して水 5 で割っている場合がある。それは 6倍希釈だ。薄く割ったものを「美味しいですね〜」とかってアホか。6倍希釈というプロトコル自体は正しくて、5倍濃縮という表記が誤りという可能性もあるが、どちらにせよ笑える。