- 快楽殺人者「えんやらや」

2006/06/28/Wed.快楽殺人者「えんやらや」

来週から 7月という事実に愕然としている T です。こんばんは。

小説・桃太郎がなかなか進まないので、ときおり進捗状況を書いて埋め草にしようと思う。ただ、よく見かける「今日は何文字書いた」という日記には何の意味もないので、少しは頭を使うつもりでいる。というか、読まれる前に読者を教育しておこうという深謀遠慮なのだ。ははは。

よほどの小説でない限り、あらかじめある程度の情報を仕入れていた方が面白く読める。これは俺の個人的な意見であるが、そうでないと、本の裏や帯に付された「あらすじ」の説明がつかない。

桃太郎におけるキーワード

小説を書く方法は色々あるだろうが、その極めて初期の段階に、テーマとなるキーワードを抜き出すという作業は重要なんじゃないか。昨日の日記で、「桃太郎」のあらすじを、「桃から産まれた男は、それが鬼であるという理由だけで鬼を虐殺する」とまとめた。そこで、まずは下の唱歌を紹介する。

文部省唱歌「桃太郎」、作詞・不明、作曲・岡野貞一

  1. 桃太郎さん 桃太郎さん お腰に付けた黍団子 一つ私に下さいな
  2. やりませう やりませう これから鬼の征伐に ついて行くならやりませう
  3. 行きませう 行きませう あなたについてどこまでも 家来になって行きませう
  4. そりゃ進め そりゃ進め 一度に攻めて攻め破り 潰してしまえ鬼ヶ島
  5. おもしろい おもしろい 残らず鬼を攻め伏せて 分捕り物をえんやらや
  6. 万万歳 万万歳 お供の犬や猿・雉は 勇んで車をえんやらや

4番以降が圧巻で、特に 5番の「おもしろい おもしろい」「分捕り (ぶんどり) 物をえんやらや」、6番の「万万歳 万万歳」などは腹がよじれるほどに爆笑した。やっぱイイわ、昔話。えんやらや。

さて、ここからキーワードを抜き出すとすれば、やはり「快楽殺人」となるだろうか。他にも「買収から心酔へ」「強盗と共犯」「差別的帝国主義」などなど、物騒な発想が浮かぶ。必ずしも採用するわけではないが、「桃太郎」という話の重要な要素として、リストアップはしておきたい。取捨選択はまた別の作業である。

以下は考え方の例である。「桃太郎」における唯一のオリジナル要素が「桃からの出生」である以上、この断片を省くともはや「桃太郎」ですらなくなってしまう。これは必ず入れる。したがって、仮に「快楽殺人」をキーワードに「桃太郎」を展開するならば、それはほとんど必然的に、「桃から産まれたという出生がもたらすトラウマが原因で〜」というプロットが思い浮かぶ。つまらないけれど、まァ、あくまで例題として。

研究日記

終日病院。ボスとディスカッション。「最近、勉強の方は?」と突然訊かれたので、何のことかと思ったら「院試の勉強」のことだった。ははは。と、薄ら笑いしながら帰宅し、『Molecular Biology of the Cell』をついつい開いてしまう俺は、多分、いい人。