学会から帰ってきた T です。こんばんは。
今日の日記は、写真が多くて重くなってしまったかもしれない。
この話はまだ日記に書いていなかったと思うが、実はこの秋、我が実家でボヤがあった。俺も詳しくは知らないのだが、地下で使っていた古い乾燥機から出火したらしい。火事には至らなかったが、そのときに巻き上げられたススで、壁という壁、床という床、家具から服から、とにかく何もかもが灰かぶりの状態になってしまったという。写真を見せてもらったが、それはヒドい有り様だった。
幸いにも保険が下りたので、家中の洗浄と壁紙の張り替えを業者に依頼することとなった。そんなときに帰省したので、
何だコレ。玄関開けたら 2秒で足場。どんな家やねん。
12月 8〜11日に神戸ポートアイランドで開かれた、第27回日本分子生物学会年会に参加してきた。1日目はポスター発表を聴いただけで帰宅。
2日目。午前中に自分のポスター発表があったのだが、人が絶えることもなく、1時間で 20〜30人くらいを相手に喋り通しだった。いくつか面白い話をしたので御紹介しよう。
俺は線虫の筋収縮を調節する複合体を研究している。この複合体の中に「T」と呼ばれるサブユニットがある。その T遺伝子のスプライシングに関与する因子を研究している、という女性が現れた。
俺「T遺伝子は四つありますよね。どれのスプライシングに関わっているんですか?」
女「えっ? 四つあるんですか」
俺「(おいおい)……いや、スプライシングされるのは三つですけどね。T-1 はアイソフォームがないという予測が、データベースで出てます」
女「T-1 はスプライシングされないんですか」
俺「正式には『MUP』っていう名前なんですけど、これは論文が出てますよ」
女「ちょ、ちょっとメモします」
と言って、ノートに「MAP」と書き始める女性。いや、だから「MUP」なんだって。もう少し勉強しなさい、さすがに。まだ学部生だったのかもしれないけれど。
もう一人、ヒトの培養細胞をやっているという男性が現れた。彼が研究している遺伝子を潰すと、俺が研究している「C」サブユニットの発現が劇的に下がるらしい。そういう結果がマイクロアレイで出たという。
俺「じゃあ筋細胞なんですね」
男「いや、それが違うんですよ」
俺「……」
男「やっぱ、C遺伝子って筋肉以外で発現しないですよねえ」
俺「しないと思います」
男「マイクロアレイの結果だから、こういうこともあるんでしょうけど。で、これからノックアウトマウスを作ろうと思ってるんですが、この結果が本当だったとして、筋肉細胞で C遺伝子の発現がなくなると、どういうことになると予想できますか?」
俺「死ぬと思います」
男「死にますか……」
「ハズレかなあ」と苦笑しながら、男性は去っていった。スクリーニングは大変だなあ、というのが俺の感想である。
とまあ、それなりに真面目な議論もしたのだけれど、ブラブラと遊んだりもした。2日目の夜には、B氏、N.N.嬢、K.N.嬢とともに神戸の中華街・南京町へ。屋台で買い食い。
3日目はヒゲマン氏とともに港へ。海上保安庁の巡視艇を目の前にしながら、明らかな私有地である堤防へ侵入。黒ずくめの男二人で、たそがれてきた。
(撮影: ヒゲマン氏)
夜は向かいのハーバーランドへ。なぜか「ハーバーランド」という言葉が出てこず、ずっと「パールハーバー」と言っていた俺。まァ時期的には確かに真珠湾攻撃の頃なんだけど。
良いね、神戸。俺のように、なまじ神戸の近くに住んでいると、「いつでも行ける」という意識が離れず、結果的に疎遠となったりする。もう少し出歩くとしよう。
京都の生物物理学会については、明日の日記で書く予定。
今日はこれから、待ちに待った「ドラゴンクエスト VIII」を買ってくる。ハマり過ぎて更新もしなくなりそうなので、しばらくは「ドラゴンクエスト VIII 日記」を書こうと思う。ネタバレは避けるつもり。恐らく、設定画を見たときからのファンである、ゼシカの育成日記になってしまうのではないか。待ってろ、俺のゼシカ!