- テレビを観る理由、観ない理由

2004/11/06/Sat.テレビを観る理由、観ない理由

今日はタラタラとテレビを観続けただけで終わってしまった T です。こんばんは。

映像と文章

俺はほとんどテレビを観ないのだが、その理由の一つに、テレビによって摂取できる単位時間当たりの情報量の少なさが上げられる。例えば同じニュースに関する情報でも、映像を見るよりも文字で読んだ方が速いし、正確に記憶に残る(これには個人差もあるだろうが)。新聞に比べ、テレビはニュースの速報性で勝っているなどと言われたこともあるが、それもネットニュースの配信が広まるにつけ、何ら利点ではなくなった。

もちろん、テレビが放送するのはニュース番組ばかりではないが、何にせよ、情報消化率は映像よりもテキストの方が優れている。結局テレビを観る機会は、純粋に映像でないと摂取できないもの(映画など)に限られる。映画にしたって、俺個人はほとんど観ないのだけれど。映画でなければできない表現があるということは承知しているが、それでも映画を観るなら本を読む方を選んでしまう。これは何も、小説が映画より優れているという主張ではない。野球とサッカーのどちらが好きか、というのと同じ話で、単に嗜好の問題である。

一つ、映像表現が宿命的に持つ特質として挙げられるのが、「鑑賞者が時間軸を支配できない」ということである。本は、速読もできるし熟読もできる。さらにはページを遡っても読める = 時間軸の逆行が可能なのだ。映像ではこれが基本的にできない。作成者の思惑通りに時間が過ぎ去っていく。それゆえに鑑賞者の意表をつくといったこともできるのだが、よほど作り込まれていないと、鑑賞者の注意を持続させることは難しい。読書と比較すると、どうしても鑑賞者の能動性が低くなってしまいがちなメディアという性質もある。

理由がないと読書はしないが、テレビを観るときには理由がない。そんな人は多いんじゃないかな。