- 名を残す

2004/10/12/Tue.名を残す

T です。こんばんは。

朝一番で、実家から救援物資が届く。ありがたい。同梱されていた得体の知れない栄養ドリンクを、グイッと一気に飲み干してからラボへ。

研究日記

来週のセミナー発表の準備や、K先生が書いた科研費申請書類のチェックなどを少々。それにしても科研費の申請、「今日が〆切なんだけど」と俺に言われても困るんだが。夕刻からはセミナー。帰りはヒゲマン氏の車(壊れたドアも直っていた)で送ってもらう。ありがとうございました。

今日は久し振りに大勢と話ができて、ようやく人間気分。

よく考えよ、名前は大事だよ

ユビキチン
特定のタンパク質に結合する修飾タンパク質。ユビキチンによって修飾されたタンパク質は、分解されたり、細胞内で局在したり、シグナルとなって機能したりするなど、様々な振る舞いを示す。ユビキチンは種を越えて広く保存されており、広汎なタンパク質修飾系に関わる。語源はユビキタス (ubiquitous; 遍在している) で、このタンパク質の存在形態をよく表していると言えよう。
ジャポニウム、リケニウム
どちらも理化学研究所が発見した113番目の元素の名前の候補。最初はジャポニウムと命名しようとしたが、野依理事長の支持が得られなかったという。その昔、日本が新元素を発見したときに「ニッポニウム」という名前で発表したところ、後に誤認の産物であることが判明、幻の元素になった歴史があり、縁起が悪いというのがその理由。リケニウムは「理化学研究所 = 理研 = リケン」が由来。理事長の名前を取って「ノヨリウム」にしたら、というのはヒゲマン氏の提案。

新星や新遺伝子、新元素でもそうだが、決められた規則に従っていれば、発見者がその名前を自由に決めて良いことになっている。これは非常に名誉なことだと思うし、それだけに発見者の方々は、色々と知恵を絞って命名されているようだ。明らかにウケを狙ったものもあって、それがまたスベっていたりすると痛々しい。残念なことに、特に日本の研究者は、真面目でもウケ狙いでも、あまり命名センスがないように感じる。

名前なんて恣意的なもので、科学的な事実とは本質的に無関係なのだが、それでもやはり、命名の仕方によってその後の研究の進展が左右されることは、実際にあり得ると思う。研究をするのは人間だからだ。

そういう意味で、「ユビキチン」というタンパク質を命名した人はコピー・ライター的なセンスがあると思うし、反対に、「ジャポニウム」「リケニウム」という名前には何らセンスを感じない。……なんてことを、論文を読みながら考えた。ワケのわからない名前の遺伝子やタンパク質の論文って、やっぱ手に取らないもんなあ。

「修羅場、どっと混む」という名前のサイトを運営している人間に言われたくはないか。ごめんね。