- 天下下知る

2004/08/10/Tue.天下下知る

明智光秀が好きな T です。こんばんは。

男は誰しも、「天下統一」「全国制覇」といった言葉が好きである。しかし、「統一」や「制覇」した後でどうするのか、何をしたいのかが語られることは滅多にない。実に男らしくて浅はかだ。

全国制覇

熱闘が続く夏の甲子園であるが、一つ気になることがある。現在、まだ 1回戦が行われている最中であり、そのため試合の途中で、主将自らによる所信表明のVTR(地元で録画したもの)が紹介される。チームの特色、雰囲気、そして甲子園に懸ける意気込みが語られるわけであるが、どいつもこいつも「目標は全国制覇」と言うわけである。

いや、目標自体を云々しているわけではない。高校生らしく、夢は大きく語ってほしい。俺が問題にしているのは、文字通り、皆が「全国制覇」という単語を用いていることにある。目指すは優勝。しかし、その表現の仕方はたくさんある。「優勝する」「日本一になる」「優勝旗を持って帰る」「全ての試合に勝つ」「頂点に立つ」などなど。

しかし、各地の主将たちは全員、まるで打ち合わせでもしたかのように「全国制覇」という言葉を使う。流行っているのか、それとも何らかのタームなのか。高校野球が嫌いな人は、まさにこういう点が好かんのだろうな、と思う。規律正しくあることは、素晴らしい美点である。でもそれは、自由で闊達な場面に現れてこそ、その真価を発揮するんじゃないかな。

全国制覇、大いに結構。彼等は既に、自分の身体を使っての表現者である。言葉に躍らされることなく、その目標とするものを勝ち取ってほしい。なんてね、クーラーの効いた部屋でテレビを見ている奴には言われたくないか。