- 益荒男ぶりと手弱女ぶり

2004/03/07/Sun.益荒男ぶりと手弱女ぶり

雑誌好きの T です。こんばんは。

雑誌は好きなんだが、決まってゴミになることがわかっているので、滅多に買わない。特集をまとめた別冊やムックの類いは、後々読み返せるので買うこともある。雑誌自体は立ち読みで済ますことが多い。ゲーム雑誌はよく立ち読みするのだが、それにしてもなんだね、最近、女の子が銃を持っている絵がやたらと目に付く。

ゲーム関係の隣はホビー系の雑誌であることが多い。ここでも女の子が銃を持っている。模型関連のフィギュアしかり、ガン、サバイバルゲーム関係の表紙もそうだ。趣味のコーナーの付近には、大体、車・バイク雑誌がある。車はそれほどでもないが、バイクもやはり女の子が横に立っている絵が多い。バイクがゴツくなるほど、その傾向が強い。ハーレーなんか典型的だろう。

なんなんだろうね、これは。確かに、上で挙げたようなジャンルの雑誌の読者の多くは男性である。だから女性がグラビアを飾るのは、普通といえば普通なんだが。しかし、同じような読者層が想定されるパソコン関係、鉄道関連にはそういう傾向が見られない。少なくとも希薄である。

確かに、銃やバイクと女の子を並べると、絵として映える。まあ、「映える」と感じるのは男だけで、その感性は男性原理の支配下にあるのだろうな。要するに、簡単な対比による双方の強調効果だろう。銃やバイクは、男の憧れを多分に含んだ「益荒男 (ますらお) ぶり」で、隣に置かれた女の子は、男の誤った希望的観測に基づく「手弱女 (たおやめ) ぶり」というわけだ。この二つを隣接させることによって、より互いのベクトルは強化される。益荒男ぶりは、ますます益荒男ぶって、手弱女ぶりは、ますます手弱女ぶっているように感じる。そして、強化された二つのこの指向は、どちらも男によって心地よい。多分、そういう理由なんじゃないかな。

売れない国内科学系専門誌も、こんな感じのアートワークを試してみたらどうなんだ。売れるぞ。何だかんだ言って、サイエンスの世界はまだまだ男の方が多い。生物系なんて例外的に女性が多い方だが、工学系なんて男ばっかりじゃないか。その生態も、誤解と例外を恐れずに言えば、オタクと似たり寄ったり。

そこで科学雑誌への女性グラビア登用を提案する。ピペットマンで決めポーズをとる女の子。カフェテラスに陣取り、iBook で Mathematica を操るお姉サマ。グラビアが無理なら、広告でも良い。塩基配列を掲載するスペースがあるなら、その代わりに、シーケンサーの横にレースクインでも立たせてみろ。「世界最高速よ」とか言わせて。モーターショーみたいだな。これはこれで凄くシュールだ。見たいなあ。雑誌も売れると思うけどなあ。

などと不謹慎なことを書くとセクハラになりそうだな。もうなってるか。アメリカや、アメリカナイズされたサイエンスの世界でこんなことをやると大問題だろうな。しかし、あれはちょっとヒステリックに過ぎるのではないかね。個性個性と言うのなら、その人が持つ美貌も個性だろう。それを褒め称えて何が悪いというんだろうね。理解できんよ。

もっともこれだって、その女性が、自分の美貌を金銭的価値に置換する経済行為をしている場合にのみ限って「悪くはない」ということですよ。だから、プロのモデルやレースクインを起用するグラビアなら良いと思うのだが。それでも「不快を感じた」と言われて問題になったりするんだろうなあ。

いかん、長くなってしまった。この話題は含んでいる問題が根深いのかもしれない。