- 戦争を知らない子供達さ

2004/03/02/Tue.戦争を知らない子供達さ

歴史好きの T です。こんばんは。

歴史の中でも日本史、特に戦国時代が好きで、本もよく読んできたつもりなのだが、いまだに頭の中でシーンを思い描けないのが戦場である。「何々軍、何万何千と、某々軍、何万何千が対峙し、今まさに戦が始まろうとしていた」なんて書かれてあっても、具体的にイメージすることは難しい。俺が人数的に何とか思い起こせるのは、甲子園球場 5万 5千人くらいが最大である。しかも、その規模の集団が軍装し、立地的に理に適った状態で臨戦態勢にある、となると想像の範疇を越えている。

武将の采配となると、一体いかなる方法で下知を飛ばしていたのか、皆目わからない。何しろ数万の人達が殺し合いをしているわけだ。総大将が「サッと軍配を一振り」したところで、誰が見ているというのか。そもそも見えるのか。実際には、早馬や伝令係などの具体的な伝達方法が存在したのだが、それにしても、本当に機能していたのだろうか。疑問である。

戦の方法論は、武家にとって秘中の秘だ。ゆえに、戦のやり方などが文書で保存されているような例はあまりない。これも、戦の様子がよくわからない原因の一つである。

その証拠に、江戸時代になると、武士でも戦のやり方がわからなくなる。そこで流行したのが軍学だ。軍学者は何も高等な戦術を講義したわけではない。武士が武士であり続けるため、大名家に戦のやり方を教えていたというのが本当らしい。つくづく江戸時代は平和だったんだなあと思わせるエピソードだ。