- 比喩の功罪

2004/01/18/Sun.比喩の功罪

難しい概念を理解するのに、よく比喩が用いられるわけであるが、果たしてその比喩が正確であるかどうかを確かめるためには、やはりあるがままの概念をそのまま理解しなければならないのではないかと思う T です。こんばんは。

比喩というのは便利なもので、お釈迦様も方便を使われて説法をされていたのだが、ではそれで悟れるのかというとそうではない。あくまで悟りは自分で得なければならないので、いくら分かりやすかろうと比喩は比喩、方便は方便でしかない。

比喩が下手な人に教えてもらうことは、気が付けば望遠鏡で大腸菌を観察していた、ということにもなりかねない。いくら原理が同じであるといえど、顕微鏡で月面は観察できないのである。比喩による理解には、いつもこの種の危険がつきまとう。

比喩で説明できないからこそ、日々新しい概念が生まれている。いつも手持ちの材料で何事も理解できるわけではない。毎日が勉強ですよ貴方。