- 分子生物学会 2日目 (12/11)

2003/12/15/Mon.分子生物学会 2日目 (12/11)

もう今年中にはないだろうとタカを括っていた企業への作文だが、最後の最後で「A4 用紙 3枚」という、これまでで最長の制限が課せられた研究テーマ作文を要求されて四苦八苦の T です。こんばんは。

本気で A4 用紙 3枚のものを書くと、かなりのことまで述べることができ、それをしっかり読んでもらえるならば、こちらも相当に気合いが入る。加えてこの会社は「学会発表リスト・発表論文リスト」も要求しており、貧乏に耐えながらも学会に参加し続けた俺としては、ここに来て非常に報われた気がするのである。要するにアカデミズムに残るつもりがない者にとっては、学会など履歴書の埋め草に過ぎない訳ですよ。文句あっか。でも、そうでなきゃ、あそこまで苦労して学会なんか行かねえよ。

で、これも詐欺まがいなのだが「発表論文リスト」には、2ヶ月ほど前に K先生に厳命されて下書きだけした論文を、投稿準備中としていつも書き加えていることは内緒だ。嘘じゃないし。そう、嘘ではない。

……で、学会日記の 2日目。前日、あまりにも混んでいた電車に辟易し、この日は少し時間をずらしてラッシュを避ける。勿論、朝からシンポジウムなど聞く気もない。午前中は三宮をブラブラして終わる。

午後はポスターを見て回る。数の割には大して聞きたいものがない、というのが去年の分子生物学会の感想だったが、今年もそんなに変わらない。変わったのはこちらの興味が少しずつ拡がってきたということで、それによって見たいと思うポスターの数も増えた。

例えば、俺は線虫の筋肉タンパク質を研究をしているわけで、「線虫」や「筋肉」の研究ならば、まあ普通に見に行くわけだが、それだけだとアッという間に見終わってしまう。そこで他のものも見ようと思うのだが、なにしろポスター発表は座って聞いているだけ、というわけにもいかず、何か質問しなけりゃ悪いような気がするのは俺だけか。質問するからには、こちらにもある程度の知識が必要なわけで、なかなか別の分野の研究は敷居が高い。で、少なくとも自分が興味を持っている分野でないと恐れ多くて聞きに行けないわけだ。

俺の場合、研究しているタンパク質がカルモジュリンやカルシニューリンといったタンパク質と性質が似ているため、比較的(あくまで他のものと比べて、だが)よく知っている。だから聞きに行く。また、研究している変異体の表現型は、細胞接着因子の変異体の表現型と同じであるので少しは勉強した。だから細胞接着因子の発表は見に行く。

そういう感じで色々と見るべきポスターは増えた。少なくとも発表時間を持て余すことはなくなったなあ。いいのか、それで、という議論はさておき。