- 生物物理学会第2日

2002/11/03/Sun.生物物理学会第2日

2日目、今日の目玉は何と言っても夜の懇親会だ。まずは筋収縮を制御するタンパク質の結晶化をされている R研H の T先生にアタックだ。この先生は気さくな方で、俺が Dr. T のことを話すと色々世間話をしてくれた。驚いたのがこの先生、今度研究室を移されるらしいのだが、その先が何とDr.Tと同じセンターだという。奇遇ですなあ、と言っておられたが、確かにそうですな。

次に捕まえたのが N大の I先生。先生は会場の端っこで、一人サンドイッチをもりもり食っていた。暇そうだったので話しかけてみる。

俺「どうもお久しぶりです」
I「もりもり。ああ君か。発表なかなか面白かったよ。もりもり」
俺「ありがとうございます。でも、結果をどう解釈するか難しくて」
I「もりもり。う〜ん、確かに。そんなときはじーっと結果を見続けるんですよ。そしたらパァーッと光明が来るもんですよ」
俺「なるほど。ところで先生のところの心筋型タンパク質ですが……?」
I「もりもり。あれも難しくてね。今、結果をじーっと見てるんだけど」
俺「ははあ。そういえば、うちの R女史がやっているアイソフォーム間での結合の違い、あれは先生、何かよい考えがありますか?」
I「もりもり。いやあ、僕もわかんなくてさあ。まあ、じーっと見てたら、そのうちパァーッと説明できる理屈が見つかるかもしれないよ」

先生は割と酔っておられるのではないか、と気付いたのは、煙草を吸うために会場の外に出たときである。草むらで何やら雑草を引っこ抜いているオッサンがいて、なんかうちの K先生と同じことしてるなあ、と思って見てたら I先生だった。

「いやあ、君か。なんか回っちゃってさ」と照れてる I先生は素敵。ちょっと誇張して書いたが、実り多いディスカッションだった。先生の「本当はじーっと見ているときが一番面白いんだよ」という言葉に感銘を受けた夜でした。