- 発表当日

2002/08/07/Wed.発表当日

おお、ついに発表の朝が来た。空飛ぶ鳥よ、おはよう、俺は今日発表だ。町行く人よ、おはよう、俺は今日本番だ。ベッドのダニよ、おはよう、俺(以下略)

とりあえずヒゲでも剃るか。持参したヒゲ剃りは刃を新しいものに替えてある。これできれいに……痛っ! ごっつい切れるし!

そんなことをしつつ、下顎部から血をだらだら流しながら満員地下鉄にゆられ、一路会場を目指す。それにしても名古屋駅はでかいな。軽く迷う。

さて、午前のセッションが終わり、K先生にとともに飯を食った後、I先生の研究室を伺う。I先生は夢で出てきた立花隆が眼鏡をかけたような顔ではなかったが、面白い方であった。研究しているタンパク質に関する興味深い話を聞かせていただく。生物物理学会にも出席されるとの由、楽しみですな。

午後のセッションが始まる。今日の午後は B氏の発表があり、その後のセッションで K先生と俺の発表もあるのだ。B氏の属するセッション中、俺は原稿等の最終チェックに忙しく、ろくろく発表も聞いていなかったのだが、その中で一つ、結局最後まで聞いてしまったという発表があった。別に特別な興味があったわけではない。ただ、その人のパワーポイントは、スライドが変わるたびにピュンピュンと画面の中を何かが走るので、それが視界に入り、気になって目をやってしまうのだ。くそ。してやられたか。その人の次の発表が B氏なのだが、発表は「イントロンがでかい」というフランクな言葉とともに終了し、いよいよ俺が発表するセッションに突入する。

俺の一つ前が K先生で、それが終わった後、壇上にあがる。すると、K先生がつけていたマイク(本体はポケットに入れて集音機のとこだけ襟とかにとめるやつ)を俺の襟に親切にも手ずからつけてくれようとしてくださるのだが、なんかごっついもたついて、恐縮も手伝い、俺は「いいです、自分でつけます」と言おうとしたのだが、なんせマイクがオンになりっぱなしなので、それもあたわず。

ようやくマイクを付け終わり、パワーポイントを開いてポインターを手に取り、いざ発表!とスクリーンを見ると、でかすぎるがな! どれくらいでかいかと言うと、ポインターの位置がとっさにはわからん、というくらいだ。客席から見ているのとでは全然違うのだ。とまあ、そんなびっくりも話し出したら気にならなく、致命的なミスはとりあえずないような感じで発表を終えた。ここからが恐怖の質問タイムである。

最初の質問は「m1 の変異は筋収縮に関係していると言ったが、m1 の子孫に筋収縮が損なわれたという意味で Unc の表現型がでなかったか?」という意味の質問であったことは俺はきちんと正確に理解把握していたことを神に誓ってもよいが、緊張と焦りで「テーブルに示した通りの表現型の分離比でした」と、恥ずかしいまでの官僚的棒読み答弁しかできなかったのが悔やまれる。ああ。

で、次の質問が今度は何言ってんのか全然わからん。見かねたK先生が助け船を出してくれたが、まあええわ、学部 4年生やし。

俺の次は K先生、再び。これで 2日目も終わり。それからポスターをちらちら見ながら時間をつぶすと懇親会の始まりだ。だが俺には親を懇する人もなく、ただ飲み食いして帰る。ホテルに戻るが、昨夜は変な時間に寝起きしたので、今日はひたすら眠い。時に午後9時。まさか明日の午前 9時(明日のセッション開始)までは眠り続けんやろ、と思い、目覚ましをかけずに寝る。